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お肌とビタミンC その1 | 札幌中央区ニキビ・アトピー・漢方治療宮の森スキンケア診療室

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お肌の基礎知識

vol.5

お肌とビタミンC その1

潤いがあり透明感があり張りのある健康的な肌を保つためには、バランスのとれた食事をとるのが不可欠です。 しかしながら、忙しくて外食中心になったり、宴会が続いてまともな食事をとれないなど偏った食生活を強いられることが実際よくあります。では皮膚の健康を保つために普段どんなことに注意して食事をとったらよいのでしょうか。

ビタミンCと皮膚の関係について考えてみます。

体内においてビタミンCには、様々な働きがあります。

① 強い抗酸化作用で有害な活性酸素の働きを抑制する

酸素は生命の維持に欠かせないものですが、この酸素の中で構造的にきわめて不安定で毒素の強い酸素が活性酸素です。呼吸の際に必然的に発生しますが、それ以外に紫外線、食品添加物、喫煙、激しい運動、ストレスなどが主な原因で発生します。活性酸素は体内の細胞を酸化し、発がんや老化などに関与します。

活性酸素は様々な害をお肌に及ぼします。

〇紫外線の影響で肌の細胞に活性酸素が発生します。これによって肌細胞が酸化され、メラニン色素が形成されます。通常であればこのメラニン色素はいずれ肌から排泄されます。しかしながら過剰な活性酸素は肌の細胞をさらに傷つけ、メラニン色素を排泄する機能を衰えさせます。結果としてシミとして残ってしまうのです。

〇活性酸素は肌の弾力を保つたんぱく質であるコラーゲンやエラスチンを酸化してしまいます。酸化されたコラーゲンやエラスチンは変性し、弾力を保てなくなりシワとなるのです。特に紫外線によって過剰な活性酸素が発生し、このようなシワをつくる過程を促進します。

これらの原因となる活性酸素の産生を抑えたり機能を抑制するのが抗酸化物質としてのビタミンCです。ビタミンCの十分な摂取は、シミやシワの予防につながります。

② 免疫力を高める

ビタミンCは白血球の1種である好中球の機能を高めることが分かっています。また疫学的研究で、ビタミンCの予防的摂取により風邪に罹っている期間が短縮されたという研究結果が出ています。免疫力が高まれば、吹き出物やニキビの予防につながります。

③ 鉄や銅、亜鉛、カルシウムなどミネラルの吸収を高める

亜鉛(細胞分裂を行うのに必要です)が不足すると新陳代謝が悪くなり、皮膚の角質細胞の生まれ変わりが阻害され、肌荒れを起こします。亜鉛の吸収を高めれば、肌荒れを防ぐことにつながります。カルシウムの不足はイライラを起こすなど、結果的にストレスを増長します。ストレスの状況下では、活性酸素が増えビタミンCの消費が増えます。結果的にビタミンC不足になるので、カルシウムの吸収を維持することは大切です。

④ 美白作用

ビタミンCにはチロシナーゼという酵素の働きを阻害し、メラニン色素の沈着を防ぎシミやくすみを抑制する作用があります。湿疹や火傷などの後に、茶色く色素沈着が残るのを防ぎます

⑤ コラーゲンの生成を助ける

ビタミンCは、皮膚や骨、血管に多く含まれるコラーゲン繊維を作るために必要です。コラーゲンは、皮膚や骨、血管の強度を保つ役割を持ち、体を形作っていると言っても過言ではありません。ビタミンCは、タンパク質として生成されたコラーゲンが、成熟した強固なコラーゲンに形成されるのを助ける作用があります。ですから張りのある肌を保つのに必要です。

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<03/01/2019 札幌市 中央区 皮膚科・形成外科 宮の森スキンケア診療室>

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