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やけど・ケガはお早めに皮膚科・形成外科へ!
やけどやケガをした時、どこに行って良いのか分からない・・・とお困りの方も多いと思います。
「形成外科」は、整形外科や美容外科と混同されやすいのですが、一言で表すと「皮膚を扱う外科」のことです。
やけど・低温やけどや、ケガを治療する専門医でもあります。
すり傷・切り傷などの外傷や、やけどなどの熱傷を早くキレイに治したり、ホクロや粉瘤といった皮膚にできる出来物(皮膚腫瘍)の外科的な切除を行ったりします。
やけどをしてしまったら
やけどは、どのような場合でもすぐに冷やすことが重要です。
冷やすことにより、やけどがより深くなることを防ぐと同時に、痛みを和らげる効果があります。
水道水などで、20分ほど冷やして下さい。
衣服を着ている時は無理に脱がせずに衣服の上から冷やして下さい。
水ぶくれなどができている場合は、破らないようにして下さい。
なによりやけどは、患部を乾かさないようにする湿潤療法が基本です。
軟膏や創傷被覆材などで患部を保護することで、傷から出てくるサイトカインと呼ばれる有効成分を活用することができます。
十分に冷やした後、濡らした清潔なタオルなどで覆って、専門病院で治療を受けてください。
低温やけどについて
「低温やけど」とは、ゆたんぽなど、44~50℃程度の体温より少し高めの温度のものに長時間触れ続けることによって起こるやけどのことです。
見た目には症状が分かりにくかったり、痛みがあまりでなかったりすることがあるため、軽症と勘違いしてしまいがちです。
実は、通常のやけどよりも治りにくいことが多いのが、「低温やけど」なのです。
通常のやけどと低温やけどの違い
通常のやけどは、皮膚の表面に熱源が触れることによって起こります。
一方、低温やけどは、熱源に長時間触れ続けることにより、皮膚の奥深くで熱損傷が進行してしまいますので、通常のやけどよりも深いやけどになり治りにくいことが多いのです。
また、やけどが脂肪や筋肉などの皮下組織に及ぶケースもあり、皮膚移植など手術が必要となることもあります。感染症にもかかりやすくなってしまいますので、普通のやけどよりも重症になることが多く、注意が必要です。
受傷後から3日目位までのいわゆる急性期は、炎症を抑える治療が中心になります。
痛みが強ければ、軽く冷却するのも効果的です。
並行してステロイド外用薬などで炎症を抑えます。
受傷後3~4日目以降は、上皮化(皮膚を再生させる)させる治療に移ります。
抗生物質含有軟膏や深いやけどの場合潰瘍治療剤などを併用します。
通常は2~3週間ほどで治癒しますが、深いやけどや特に低温やけどは1~2か月あるいはそれ以上かかることがあります。
浅いやけどでも広範囲に及ぶ場合、深いやけどの範囲が広い場合など、入院治療が必要となる場合もあります。
やけどは深さによってⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度に分類されます。
表皮までの深さ。
痛み・赤味・熱感を伴います。
水泡はできません。
浅達性Ⅱ度
真皮の浅層までの深さで、
水疱・強い痛みを伴います。
治るまで1~2週間かかります。
深達性Ⅱ度
真皮の深層まで達するやけどです。
治るまで3~4週間かかり、
瘢痕やケロイドを形成する
場合があります。
脂肪や筋肉など皮下組織に達するやけどです。
治るまでに1ヵ月以上かかることもあり、皮膚移植など手術が必要な場合があります。
瘢痕やケロイドを形成します。
一口に「ケガ」といっても様々ですが、皮膚のケガを治療する専門医である
宮の森スキンケア診療室では、次のようなケガの診療・治療を行っております。
01
切創
ガラスの破片や刃物で切った傷のことを言います。深さによっては縫合した方が早くきれいに治ります。
02
擦過創
いわゆる擦り傷です。傷の中に砂などの異物が入り込んでいる場合が多いので、洗浄するなど異物を取ることも大切です。
03
挫創
鈍的な外力や圧迫によって生じる損傷です。
表皮が剥脱され創縁は不規則に挫滅しています。砂など異物が入り込んでいる場合が多く、感染を起こすこともあります。深い傷の場合瘢痕を残すことが多いので早めの適切な治療が必要となります。
04
刺創
針など、先端の尖っているものによる傷です。傷口が小さくても深いことが特徴です。
傷の奥に異物の先端が残ってることもあり、レントゲン検査が必要な場合もあります。
05
咬創
動物や人に咬まれた傷です。歯や口腔内の雑菌によって感染を起こすことが多く、十分な洗浄や抗生物質の投与が必要となります。
06
裂創
転倒したり、物にぶつかったりして皮膚が裂けるように切れる傷です。頭皮、顔(目の周り、あご、額など)、膝などに受傷することが多いです。
小さい傷ならテープで寄せることもできますが、深く長い傷なら縫合した方が良い場合が多いです。
これらの傷が、単独あるいは複合して受傷することが多く、傷跡を残さないためにもより早く治すことが重要です。
やけどやケガのあとを残さないためには、早く治すことはもちろんですが、治った後も重要です。
特に治った跡が赤味を帯びている場合、紫外線の影響を受けやすく色素沈着やシミの原因となってしまうことがあります。
やけどやケガが治ってしばらくは、遮光や日焼け止めクリームなどを使用した紫外線対策が重要です。