宮の森スキンケア診療室

お肌とビタミンC その3 | 札幌中央区ニキビ・アトピー・漢方治療宮の森スキンケア診療室

Close

お肌の基礎知識

vol.7

お肌とビタミンC その3

ビタミンCの強い抗酸化作用により、皮膚における美白効果やシワ予防などの効果が期待できます。また、湿疹・外傷・熱傷などの炎症が収束した後に見られる炎症後色素沈着の改善などにも効果が認められ、実際治療に用いられています。しかしながら、食事やサプリメント、あるいは薬として多く取っても体内に吸収される量には限界があり、また吸収されたビタミンCが全て皮膚において利用されるとは限りません。
ビタミンCは水溶液中では不安定であり、また直接肌に浸透しにくいため化粧品や医薬部外品等への利用が困難でした。しかし、ビタミンCの一部をリン酸塩に置き換えて安定化させたビタミンC誘導体(アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウムなど)が開発され、直接皮膚からの吸収が可能になり、様々な皮膚への効果が期待できるようになりました。
ではビタミンC誘導体の外用で、どんな効果が期待できるのでしょうか。

1)ニキビの予防とニキビ痕の改善

ビタミンC誘導体には皮脂分泌抑制作用があります。余剰な皮脂による炎症やニキビの発生を抑制します。また皮脂を酸化させ炎症を起こさせる活性酸素を除去する(抗酸化作用)ことでニキビの悪化を防ぎます。真皮内のコラーゲン合成を促進させることでニキビ痕の改善に役立ちます。また、毛穴を引き締める作用もあります。

2)しみ・くすみの予防と改善

紫外線の影響を受けると皮膚内のメラノサイト(色素細胞)がメラニンを合成します。ビタミンC誘導体はこの過程でメラニンの合成を防ぎます。シミが今以上に濃くなるのを防ぎ、また新たなシミの出現を予防する効果があります。また、メラニンを還元し色を薄くする美白効果があります。

3)しわ・たるみの予防と改善

ビタミンC誘導体は、お肌の張りや弾力を維持する真皮内のコラーゲン合成を促進させる効果があり、結果的にしわ・たるみの出現を防ぎ肌に張りを持たせる効果が期待できます。また、活性酸素を除去する抗酸化作用によりコラーゲンの分解を抑制します。コラーゲン合成促進とコラーゲン分解抑制の両面から、しわ・たるみの予防と改善など老化防止効果が期待できます。

4)ビタミンC誘導体の問題点と使用上の注意点

あくまでも基礎化粧品や医薬部外品の域を出ないことです。医薬品として治療に用いられるものではありません。ですから効果には個人差があります。

皮脂抑制効果があることにより、皮脂が原因となる炎症やニキビに対する一定の効果は期待できますが、一方で皮脂を抑えることにより上手に使わないとお肌を乾燥させてしまうことがあります。保湿成分の配合されたビタミンC誘導体の使用が勧められますが、化粧水などの保湿剤の併用が望ましいです。

皮脂分泌は季節に左右される特徴があります。夏場は皮脂が多く冬は少ないという特徴があります。また疲れやストレス、睡眠不足の時に皮脂が多くなります。ですから漫然と使用するよりも、季節やその時の体調、お肌の状態に合わせた使用が理想的です。
・・・・・・・・・・

当院でもビタミンC誘導体を皆様に提供しております。私院長も提供開始よりずっと使用を続けています。私の場合元来が脂性肌のため、鼻の周囲や耳などが炎症で赤くなる(脂漏性皮膚炎)ことがあるのですが、ビタミンC誘導体で最小限に抑えられています。

・・・・・・・・・・

<10/03/2019 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>

 

お肌の基礎知識一覧へ >