肌の老化と活性酸素の関係 ①
気になる肌の老化現象として、シミ・シワが代表的なものです。もちろん加齢とともに現れるものですが、程度には個人差があり、家系的なもの生活習慣や職業など、様々な原因が考えられます。その中でも紫外線と活性酸素がその大きな原因となっていると考えられています。活性酸素は、肌のみならず全身の臓器に悪影響を及ぼし様々な病気を引き起こします。
活性酸素って何?
酸素は生命の維持に欠かせないものです。呼吸の際に摂取した酸素の中で2%程が反応性の高い活性酸素に変化します。活性酸素は体内の代謝過程において様々な成分と反応し、排卵、受精、細胞の分化・アポトーシス(細胞死)など細胞の増殖に関わる細胞間情報伝達の生理活性物質としても利用されています。しかしながら、一方で構造的にきわめて不安定で強い毒性を持つ特徴があり、過剰となると細胞障害をもたらします。
活性酸素はどのように発生するのか?
呼吸の際に必然的に発生する以外に、様々な原因で活性酸素が発生します。紫外線、食品添加物、喫煙、激しい運動、ストレスなどが主な原因となり体内に活性酸素が発生します。
活性酸素にはどんな作用があるのか?
①体内の免疫機能や感染防御
白血球から産生される活性酸素は、強い殺菌作用を持ち、体内に侵入した細菌を排除する作用があります。白血球の中でも好中球やマクロファージは、外界から侵入した細菌を貪食し活性酸素を利用して分解します。活性酸素は生命維持に欠かせない側面もあるのです。
②細胞間のシグナル伝達
排卵、受精、細胞分裂と、細胞の増殖に関する細胞間のシグナル伝達の生理活性物質として作用しています。
③酸化ストレス
その不安定な構造ゆえ自分自身(活性酸素)を安定化するために、体内の脂質やたんぱく質を酸化します。鉄は酸化されて赤くさびるわけで、体を構成する臓器も構成する細胞の脂質やたんぱく質が酸化されると、鉄がさびるように機能が衰え老化するといわれています。これら活性酸素による細胞や臓器の酸化を抑制するための機能(抗酸化機能)が生体には備わっているのですが、これを超える活性酸素が発生する状態を酸化ストレスと言います。
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<30/06/2019 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>